①トピックの要点:メジャー67登板目で初めて起きたこと
2026年5月12日(日本時間13日)、ドジャースの山本由伸(27)がサンフランシスコ・ジャイアンツ戦で衝撃的な数字を残しました。
メジャー移籍後67回目の登板・66回目の先発にして、初めて1試合3本塁打を浴びたのです。
最終スコアはジャイアンツ6-2ドジャース。本拠地ドジャースタジアムには不満の声が響き渡りました。日本のメディアも「今季ワースト5失点」「4勝目逃す」と報じ、不安視する声も上がっています。
ところが――地元ドジャース系メディアや山本本人の言葉を拾っていくと、少し違う景色が見えてきます。
「あの試合は最終スコアよりずっと良い内容だった」(Dodgers Nation)
山本由伸自身もこう語っています。「もう少し(Almost there)」――本人の中では確かな手応えがあるようです。
②記事の詳細:8奪三振・無四球でなぜ5失点?
3本のソロ本塁打、すべて”条件が重なった場面”
この試合、山本は6回1/3を投げ8奪三振・無四球・被安打6という内容でした。数字だけ見れば、十分すぎる投球と言えます。
では、なぜ5失点になったのか。
3本の本塁打はすべてソロ。打った相手はジャイアンツの8番・9番打者という下位打線。しかも3本全てが2死からの一発でした。
MLB公式の試合レポートによれば、
– 3回:ジャイアンツ捕手エリック・ハース(9番)が同点ソロ
– 5回:ハリソン・ベイダー(8番)が引っ張り逆転ソロ
– 5回:再びハース(9番)が初球ファストボールを叩いて追加ソロ
ハースが同一試合で2本塁打。ドジャースタジアムでジャイアンツの捕手として2本塁打を打ったのは史上初という、ある意味で記念的な被弾でした。
Clutchpointsの記事は「最も予想外のヒーロー(unlikeliest hero)に打たれた」と表現しています。これは「実力負け」というより「想定外」という見方です。
「内容は良かった」と地元メディアが擁護
Dodgers Nationは記事タイトルで「Yoshinobu Yamamoto Better Than Final Line vs. Giants(最終スコア以上に良い投球だった)」と評価しました。
根拠として挙げられたのは以下の点です。
- 93球中30球が空振りまたはコールドストライク(奪三振効率が高い)
- 1回に失点ゼロ(山本の弱点とされていたイニング頭の失点をゼロに抑えた)
- 四球ゼロ(ストライク先行の完璧な投球リズム)
True Blue LAは「本塁打3本以外の部分は支配的だった」と書いています。
山本の言葉:「もう少し(Almost there)」
試合後、山本由伸はこう話しました。
「自分が目指す投球にはもう少しというところ。でも確実に近づいている」(Yahoo Sports)
この言葉には重みがあります。昨年2025年シーズン、手術明けで苦しんだ山本が、2年目の今季ようやく本来の姿に戻りつつある最中の発言です。「Almost there」は諦めではなく、前進の手応えです。
③ポイント3つ:この登板から見えること
ポイント①「下位打線への一発が唯一の誤算」
山本の失点源は徹底して「ソロ本塁打」でした。四球も複数失点のビッグイニングもなし。本拠地の観客にはブーイングのように聞こえたかもしれませんが、内容的には「ほつれ」ではなく「点在する一発」。
「崩れているのではなく、ピンポイントで刺されただけ」
この違いは大きいです。課題はあるとしても、「立て直す必要があるレベルの不調」ではありません。
ポイント②「メジャーでもNPBの”山本らしさ”は健在」
8奪三振・無四球という数字は、山本の真骨頂です。NPB時代から変わらない「三振を積み重ねながら走者を出さない」スタイル。Yamamoto anchors depleted Dodgers rotation(山本がローテーションを支えている)とHarianbasisも報じており、ドジャースのエース格としての信頼は揺らいでいません。
「打たれても崩れない。それが山本由伸の本質だ」
ポイント③「『Almost there』の先にある本物の復活」
オリックス時代の山本は防御率1点台、奪三振率トップクラスの圧倒的エースでした。2025年はTJ手術明けで本来の状態ではなかった。今季は「本当の山本」が戻ってくるシーズンとして期待されています。シーズン序盤の米サイトの予測では「11勝・WAR3.6」というオプティミスティックな数字も出ていました。
「今のもどかしさは、爆発前の静けさかもしれない」
④今後の課題:「Almost there」の先に何が待つか
ドジャース系メディアが前向きに評価しつつも、積み残している課題はあります。
- 変化球のコントロール精度:3本塁打のうち1本はスプリットを引っ掛けられた場面。落差のあるボールを「落としきれない」瞬間が今季も散見されます。
- リード時のマウンド上の判断:2死走者なしから本塁打を許す場面が今季複数回。「2アウトだから」という気の緩みではなく、相手打者の「打ち気」を読む精度が求められます。
- ドジャース打線の援護依存からの脱却:今季のドジャースは打線が強力なため、山本のQS(6回3自責点以内)でも勝てる試合が多い。しかし「エースが接戦を制する」シーンを見せることが、長期的な評価には不可欠です。
次回登板はサンディエゴ・パドレス戦(5月19日前後予定)。この舞台で「Almost there」が「完成形」に変わるかどうか、注目が集まります。
⑤管理人のつぶやき
ライオンズファン歴30年の私にとって、山本由伸はちょっと複雑な選手です。オリックス時代に何度も「これは手ごわい」と思わされてきた、本物の怪物投手。ライオンズとの交流戦で登板するたびに、打線がサイレントになるのを何度見てきたか(泣)。
でも今、彼がドジャースのユニフォームを着て「もう少し」と言いながら前を向いている姿を見ると、どこか応援したくなるんです。
ジャイアンツのハースに2発食らって、地元でブーイングを受けても表情を崩さない。その姿に、日本人のプロフェッショナリズムを感じます。松井稼頭央さんがヤンキースでもがきながらも折れなかったあの頃に重なって見えることがあります。
「結果が出なくても崩れない選手が、最終的にいちばん遠くへ行く」
山本由伸の「Almost there」が、今季のドジャースをどこへ連れていくか。夏場の本番に向けて、目が離せません。
参考・出典:
– [Dodgers’ Yoshinobu Yamamoto Better Than Final Line vs. Giants(Dodgers Nation)](https://dodgersnation.com/yoshinobu-yamamoto-better-than-final-line-suggests-vs-giants/2026/05/12/)
– [Yoshinobu Yamamoto surrenders 3 home runs vs. Giants(MLB公式)](https://www.mlb.com/news/yoshinobu-yamamoto-faces-giants-for-second-time-in-2026)
– [Despite ugly numbers, Dodgers’ Yoshinobu Yamamoto about to hit stride: ‘Almost there’(Yahoo Sports)](https://sports.yahoo.com/articles/despite-ugly-numbers-dodgers-yoshinobu-135105098.html)
– [Dodgers news: Yoshinobu Yamamoto allows 3 HR, Giants beat LA again(True Blue LA)](https://www.truebluela.com/dodgers-scores-standings/115677/yoshinobu-yamamoto-home-runs-giants)
– [Dodgers’ Yoshinobu Yamamoto pounded by unlikeliest Giants hero(ClutchPoints)](https://clutchpoints.com/mlb/los-angeles-dodgers/dodgers-news-yoshinobu-yamamoto-rocked-unlikely-giants-hero)
– [ドジャース ロバーツ監督の継投が裏目に 山本由伸今季ワースト5失点(デイリースポーツ)](https://www.daily.co.jp/mlb/2026/05/13/0020349455.shtml)
– [山本由伸がメジャー初の3被弾 本拠地が不満の声で騒然(デイリースポーツ)](https://www.daily.co.jp/mlb/2026/05/13/0020349349.shtml)

