今井達也復帰登板で6失点KO、グランドスラムが露わにした課題

今井達也

① トピックの要点:雪辱どころか、また「悪夢」が繰り返された

初回の三者凡退に沸いた本拠地の歓声が、4回の満塁弾でブーイングに変わった——。

2026年5月12日(日本時間13日)、ヒューストン・アストロズのヒューストン本拠地で行われたシアトル・マリナーズ戦。右腕の疲労で約1ヶ月の負傷者リスト(IL)入りを経て待望の復帰マウンドに上がった今井達也投手は、4回6失点でKOされました。

4月10日の同カードで1アウトしか取れずに降板してから33日。「今度こそ」という期待を背負っての登板でしたが、結果は防御率9.24という厳しい数字に終わりました。

しかし——この記事では、単に「また打たれた」で終わらせたくないと思っています。何が起きていたのか、何が本当の課題なのか、じっくり掘り下げていきましょう。

② 試合の詳細:「初回三者凡退」から「4回グランドスラム」まで

希望の初回、そして2回の暗転

1回表、今井は三者凡退でマリナーズ打線を抑えます。ILから戻ったとは思えないキレのある立ち上がりに、ミニッツメイドパークのスタンドからは大きな拍手が沸き起こりました。

「これは行けるかもしれない」——あの瞬間、そう思ったファンは多かったはずです。

しかし2回、先頭打者への四球から流れが変わります。ランドール・アロザレーナに甘く入ったスライダーを叩かれ、先制2ランホームラン。「四球→本塁打」という最悪のパターンが早くも顔を出しました。

3回は踏ん張り、4回で崩壊

3回は無失点で切り抜けます。修正の兆しが見えた矢先、4回に悪夢が訪れます。

先頭アロザレーナを見逃し三振に仕留めた——と思ったところでABSチャレンジ(自動ボールストライク判定システムへの異議申し立て)でボール判定に覆り、無死一塁。直後に死球、さらに四球で3連続四死球となり、無死満塁。そしてカンゾーンに走者を一掃する満塁本塁打(グランドスラム)を浴びました。

この回だけで4失点。4回80球・5安打・5四死球・6失点という内容でKOとなりました。

(出典:Full-Count「今井達也、復帰戦で満塁弾浴び6失点KO 4回までに5四死球の大乱調…防御率9.24」https://full-count.jp/2026/05/13/post1955413/ / デイリースポーツ「今井達也 メジャー復帰登板で悪夢の4回6失点降板」https://www.daily.co.jp/mlb/2026/05/13/0020349022.shtml)

③ 注目ポイント3つ:数字の裏に隠れたもの

ポイント①:四死球5つの「制球難」——実はNPB時代から続く宿題だった

苦労して一度は克服したはずの弱点が、メジャーという新しい壁の前で再び顔を出している。

この日の5四死球(3四球・2死球)は今季最多。4月10日の登板でも制球が定まらなかったことを考えると、メジャーの打者を前にしたときに球が外に逃げる傾向が続いています。

ここで重要な事実を押さえておきたいのですが、実は今井は西武ライオンズ時代にも制球難で苦しんだ時期があります。2021年には両リーグ最多99四球・与四球率6.05という数字を残しており、その年は制球難を抱えながらも自身初の規定投球回に到達したシーズンでした。

しかしその後、今井は見事にその弱点を克服します。2022〜2025年の3シーズンは470イニングで防御率2.18、2025年には防御率1.92・178奪三振という別次元の数字を叩き出し、「エース」の称号を手にしました。

つまり今メジャーで起きていることは、「もともと制球が悪い投手が通用しない」のではなく、「NPB時代に苦労して手に入れた制球力が、メジャーという新環境のプレッシャーと打者の質の前で再び揺らいでいる」という構造です。これはある意味で、より深刻かつ解決可能な課題ともいえます。乗り越えた前例が自分自身にあるのですから。

ポイント②:「癖バレ」疑惑——2度の完璧な二塁盗塁

試合中、今井は2度にわたって完璧なタイミングで二塁盗塁を許しました。走者にモーションを完全に読まれているかのような流れで、一部では「癖バレ(投球動作のクセを相手に読まれている)」の可能性が指摘されています。

もしマリナーズが今井のクイック動作や足の上げ方のパターンを研究・把握していたとすれば、これは制球難と並ぶ深刻な課題です。日本人投手がメジャーで長期的に通用するためには、定期的なフォームの見直しが欠かせません。

「打者に打たれる」より「走者に走られる」ほうが、投手の精神的ダメージは大きいこともある。

ポイント③:「初回三者凡退」が示す本来の力

一方で忘れてはならないのが、初回の完璧な投球です。3者凡退という事実は、今井の本来の力がメジャーでも通用することを証明しています。

問題は「序盤は良くてもその後崩れる」という波の大きさ。登板ごとに「1回は抑えて2〜4回で崩れる」というパターンが繰り返されているとすれば、精神的・体力的なスタミナの問題というよりも、相手打線の「慣れ」と「対策」への対応力不足が鍵かもしれません。

(参考:東スポWEB「今井達也 復帰戦4回6失点でブーイング 防御率は9・24に」https://news.yahoo.co.jp/articles/85de051e15ccb246d1fe63c342e9c6ff5f954a9f)

④ 今後の課題:3つの具体的改善点

今井達也がメジャーで生き残るために、筆者が考える具体的な課題を整理します。

課題①:四球を出さない「先頭打者への攻め方」の徹底
今回の2本の被弾は、いずれも四球または死球で出した走者を一発で返される展開でした。先頭打者に四球を出さないことが、崩れを防ぐ最大の鍵です。カウントを有利に進めるファーストストライクの意識改革が求められます。

課題②:クイック動作の改良とモーションの多様化
盗塁を2度許したことは「癖を読まれている」可能性を示唆します。モーションのバリエーションを増やし、走者に「読めない」と思わせる工夫が必要です。

課題③:「2巡目以降」の対策球種の確立
初回は通用した球が、2巡目以降に打たれる傾向があるなら、相手打者の対応に対するカウンターとなる第3・第4の球種の精度向上が急務です。

「打たれるたびに何かを掴んでいく——それが1年目の正しい歩き方だと、私は信じています。」

⑤ 管理人のつぶやき

正直、試合を追いながら「また……」と苦い気持ちになりました。

西武ライオンズのファンとして今井達也を長年見てきた身としては、あの堂々としたマウンドさばきを知っているだけに、今の状況がもどかしくて仕方ありません。

でもひとつだけ言いたいのは、今井はまだ1年目だということ

山本由伸だって最初から完璧だったわけじゃない。大谷翔平がメジャーで本当の意味で花開いたのも、何度もの試練を経てのことです。制球難・癖バレ疑惑・グランドスラム——これだけの課題が一度に明確になったことを、「成長の材料が揃った」と捉えることもできます。

次の登板で、少しでも修正の跡が見えたなら——それだけで十分前進です。今井達也、まだまだ諦めないでくれ。

参考・出典
– Full-Count「今井達也、復帰戦で満塁弾浴び6失点KO 4回までに5四死球の大乱調…防御率9.24」https://full-count.jp/2026/05/13/post1955413/
– デイリースポーツ「今井達也 メジャー復帰登板で悪夢の4回6失点降板 3連続四死球からグランドスラム被弾」https://www.daily.co.jp/mlb/2026/05/13/0020349022.shtml
– デイリースポーツ「今井達也が4回6失点KO 四死球の走者をすべて一発でかえされる最悪の展開 癖バレ?完璧な二盗を2度も許す」https://news.yahoo.co.jp/articles/d5324e4e0c4b9479c2cd147fb93343b156bd567e
– 東スポWEB「今井達也 復帰戦4回6失点でブーイング 防御率は9・24に」https://news.yahoo.co.jp/articles/85de051e15ccb246d1fe63c342e9c6ff5f954a9f
– Yahoo!ニュース(スポニチアネックス)「アストロズ 右腕の疲労でIL入りの今井達也が約1カ月ぶりにメジャー復帰」https://news.yahoo.co.jp/articles/347fea9bb0ea2cf275757a6beead0853227932ba

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