今井達也、51日ぶり白星と継投ノーノー達成

今井達也

初回3四球——それでも今井達也は崩れなかった

2026年5月25日(日本時間26日)、テキサス州アーリントン。グローブライフ・フィールドの敵地マウンドに立った今井達也(アストロズ)は、最悪の立ち上がりを演じました。初回、3者連続四球。球場がどよめき、スタンドのざわつきがマウンドまで届くような空気でした。

しかし、そこから今井は崩れませんでした。

2回以降は別人のような投球で16人を連続アウト。最終的に6回97球・無安打無失点を記録し、2人のリリーフと継いでアストロズ史上5度目の継投ノーヒットノーランを達成。チームは9-0の快勝を収めました。51日ぶりの2勝目、今季初のクオリティ・スタート。

「崩れそうで崩れない」——それが今季の今井達也の本質かもしれません。


51日間に何があったか——苦闘のシーズン序盤

今井達也は2026年1月2日、3年総額5,400万ドル(約81億円)でアストロズと契約しました。オプトアウト条項付きの大型契約は、球団が今井の実力を高く評価している証。西武ライオンズで2025年に10勝・防御率1.92・178奪三振を記録したその右腕に、メジャーファンの期待は高まっていました。

4月初旬の初先発はまずまずの内容で白星を掴みました。しかし5月13日のマリナーズ戦で暗転します。3連続四死球を許してからの走者一掃グランドスラム被弾。4回6失点で降板し、東スポWEBなど日本メディアも「アストロズ崩壊危機」と報じる事態に([東スポWEB](https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/389194))。

その後51日間、今井は白星なしの期間が続きました。

そして迎えた5月25日——初回にまた3四球。「またか」と感じたファンも少なくなかったはずです。それでも今井は、そこから先の16人を一人も出塁させませんでした。

苦しい時間を経験したからこそ、あの2回以降の投球には重みがある。


注目ポイント3つ——米メディアと数字が語る今井の真価

① 四シームとスライダーの「2球種集中」で仕留めた

MLBの各メディアが注目したのは、今井の球種配分です。97球のうち四シーム48球、スライダー45球。ほぼ2球種に絞った徹底した配球で打者を翻弄しました([Houston Public Media](https://www.houstonpublicmedia.org/articles/news/sports/2026/05/26/552752/astros-rangers-no-hitter-combined/))。

今井自身は試合後、「(レンジャーズ打線が)あまり積極的にスイングしてこなかったので、ゾーンで勝負し続けた」と語っています([中日スポーツ](https://www.chunichi.co.jp/article/1257101))。配球の組み立てではなく「投げ続ける強さ」が際立った投球でした。

② 捕手のリードが「天と地の差」を生んだ

中日スポーツは、今井の好投の陰に捕手の貢献があったことを伝えています。地元メディアも「いい仕事だ。天と地の差だった」と捕手のリードを称賛([中日スポーツ](https://www.chunichi.co.jp/article/1257050))。初回の3四球という荒れた立ち上がりを経て、バッテリーが軌道修正した事実は見逃せません。西武時代から「乗ってくると手がつけられない」と言われた今井の「スイッチ」を入れたのは、捕手との信頼関係だったのかもしれません。

③ MLB約2年ぶりのノーヒットノーランという歴史的価値

今回の継投ノーヒットノーランは、MLB全体で約2年ぶりという稀少な達成です([MLB.com](https://www.mlb.com/news/astros-throw-combined-no-hitter-against-rangers))。単独ではなく継投での達成ですが、先発として6イニングを無安打で抑えた事実は変わりません。かつてダルビッシュ有がメジャーで完全試合に惜しくも届かなかった試合を思い出すファンもいるでしょう。今井の名前が「MLBノーヒットノーラン達成投手」の欄に刻まれたことは、日本球界にとっても誇らしい一ページです。

制球に苦しみながらも、MLBの歴史に名を刻んだ——これが今の今井達也です。


今後の課題 ― 「制球」という永遠のテーマ

今井の最大の課題は、言うまでもなく制球です。5月26日の登板でも初回に3四球。今季を通じて四球の多さは一貫した問題点です。

NPB時代の今井も四球が多い投手ではありませんでした。メジャーのマウンドの硬さ、ボールの違い、ストライクゾーンの解釈——さまざまな要因が複合的に絡んでいるとみられます。5月13日の登板でESPNが「制球難が招いた崩壊」と指摘したように、米メディアもこの点は継続して注視しています。

オプトアウト条項がある契約は、逆に言えば今井自身がシーズン終了後に去る選択肢を持つということ。残留を引き寄せるためにも、後半戦での制球安定は必須条件です。

ノーヒットノーランは通過点に過ぎない。本当の評価は、安定した制球を手に入れたときに始まる。


管理人のつぶやき

正直、5月13日のグランドスラム被弾を見たとき、「今年は厳しいかな」と思いました。3連続四死球からの一発——あの場面は見ていてつらかった。

でも、今井はそこで終わらなかった。51日かけて、今度は初回の3四球を2回以降で自力で帳消しにしてみせた。

西武時代から「波がある投手」と言われ続けた今井ですが、この粘り強さはどこから来るのでしょう。NPBで積み上げたものの厚みだと私は思っています。メジャーのバッターは確かに強い。でも、今井の「球に力がある」という本質は変わっていない。

あとは制球。これさえ安定すれば、今井は本物のローテの柱になれます。後半戦、その答え合わせが始まります。

初回にどれだけ苦しんでも、2回以降に別人になれる投手——それだけで、見る価値は十分にあります。


参考・出典

  • [MLB.com — Astros throw combined no-hitter against Rangers](https://www.mlb.com/news/astros-throw-combined-no-hitter-against-rangers)
  • [Houston Public Media — Imai and 2 relievers throw combined no-hitter](https://www.houstonpublicmedia.org/articles/news/sports/2026/05/26/552752/astros-rangers-no-hitter-combined/)
  • [デイリースポーツ — 今井達也 6回ノーヒットノーラン投球](https://www.daily.co.jp/mlb/2026/05/26/0020399608.shtml)
  • [スポニチアネックス — 51日ぶりメジャー2勝目](https://news.yahoo.co.jp/articles/dc794821c296f19bfa18159eb30c42249873f9cc)
  • [中日スポーツ — 捕手のアシスト「天と地の差」](https://www.chunichi.co.jp/article/1257050)
  • [中日スポーツ — 今井「あまり積極的にスイングしてこなかった」](https://www.chunichi.co.jp/article/1257101)
  • [東スポWEB — 今井達也の不振でアストロズ崩壊危機](https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/389194)
  • [デイリースポーツ — 5月13日 メジャー復帰登板で4回6失点](https://www.daily.co.jp/mlb/2026/05/13/0020349022.shtml)
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